2016年9月15日

コラム第2回「投げてびっくり!ラインウエイト」

当コラムでは、海光社のユニークな製品にまつわるお話を紹介しています。
▶第1回「はじまりの水中集魚灯」はこちら



第2回「投げてびっくり!ラインウエイト」

ラインウエイト

創業当時に開発され、今なお主力製品である「ラインウエイト」。
この鉛のオモリが入ったロープは、漁業で使う網を海中に沈めるために使われます。皆さんが日々おいしく食べているお魚も、ラインウエイトの活躍によって獲られたものかもしれません。

誕生秘話・オモリのかたちを変えてしまおう


従来の網。黒い部分がオモリ

当時の主流だったのは、網の端にオモリを付けて沈める方法。しかし巻き上げる際に絡んだり、オモリが漁師に当たって大事故になることもありました。

これではとても不便だ。漁業の現場を見た創業者は新しい「オモリのかたち」を考え始めます。オモリ自体がしなやかだったら、扱いやすくケガをすることもない。鉛をこまかく数珠状にすれば、そして間に糸を通せば、重くてもしなやかなロープになる。こうして世界初のオモリ入りロープ「沈子綱(ちんしづな)」が生まれました。

このロープはラインウエイトと名付けられ、画期的な扱いやすさが評判となり全国の漁場で使われることになります。


さて、ラインウエイトが全国で使われるようになるまで、さまざまな苦労があったようです。新開発のラインウエイトを広めようと、当時の社員は全国各地へ出かけました。

しかし、訪れた先の漁師さんはベテランばかり。使い慣れた道具以外のものを、そう簡単に信用してくれません。渡されたラインウエイトは、「こんなロープじゃ、ダメだ」と海に放り投げられてしまいました。

と、その時!
ラインウエイトがぐんぐん海に沈んでいったのです。これを見た漁師さんはあっと驚いて、その性能を認めてくれたという話です。


今では漁業の「あたりまえ」となったラインウエイト。漁業をよりよくしたいという創業者の願いから生まれたこの製品は、今日もどこかの海で活躍しているはずです。



→第3回へつづく
→第1回「はじまりの水中集魚灯」はこちら


2016年9月7日

コラム 第1回「はじまりの水中集魚灯」



「えっ、そんな製品もやってるんですか?」
と尋ねられることが、日頃からよくある当社。せっかくですので、ユニークな製品たちにまつわるお話を紹介してまいります。ぜひお付き合い下さい!




第1回 「はじまりの水中集魚灯」


現在では販売しておりませんが、水中集魚灯は当社の「はじまりの製品」なのです。
今から70年以上前、海洋研究者である創業者・林寿は漁業の近代化に取り組んでいました。
『もっと効率よく魚を獲ることは出来ないだろうか?』

創業者・林 寿
林は元々使われていた集魚灯と、これに集まる魚の習性を研究しました。魚には認識しやすい光の強さがあり、ただ明るければ寄ってくる訳ではない…。そこで発明されたのが、「水中集魚灯」です。


これは従来型の「船上から光を照らして、水面近くの魚を集める集魚灯」とは異なり、ランプごと海中に沈めて、さらに自動で光の調節を行い魚をおびき寄せるという画期的なシステムの集魚灯でした。

魚の習性、光の性質を研究した末に生まれたこの水中集魚灯には、より多くの魚が寄ってくる。いままでより早く、効率的に漁ができる。発明は成功しました。

これをきっかけに、1946年「海光社水産研究所」が創立されます。1956年には株式会社となり、量産体制を整備。海光社ではその後もかずかずの製品を生み出し、(詳細:海光社の技術紹介ページ)現在にいたるまで漁業資材を作り続けています。


今では日立市郷土博物館にて、静かに余生を過ごす水中集魚灯。会社ロゴのモチーフにもなった水中集魚灯は、海光社の原点ともいえる製品なのです。

さて、ほかにも創業当時に発明された、現役の主力製品「ラインウエイト」がありますがこちらの紹介はまた次回に。



第2回「投げてびっくり!ラインウエイト」につづく

2016年1月5日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
海光社は設立60周年(創立からは70周年)を迎えました。
今後も相変わらぬご交諠を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。